2004.6.12 | Drawing Music | 桐生・有鄰館酒蔵 「境界線上の音楽 1」 |
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3分を見る為の砂時計は必需品。心臓の音は聴診器に超小型マイクを付けたもの | 4トラックデッキに3分のエンドレステープをセット。3分ごとに演奏を録音 | アルミ板のうらにコンタクトマイクを接着。台座は「Neutral Live」の作品 | 3分前の演奏を再生、その音を聴きながら別のトラックに演奏を録音する |
私の心臓の音では8ビートは叩けなかったが、やっぱり音は大きかった宮川ドラマー | ミネギシ氏はライブ当日、桐生周辺の音をMDでSound Hunting、シンセで加工し、独自の音場を作る | 最初は、グラインダーを使用しDrawing、回転数の調節で音が変わる。3種類のエフェクターを通してPAへ | 金属棒でDrawing 力は要るが微妙なニュアンスで音が出るので楽しかった |
ライブコメント ミネギシマサハル | |||
現地で事前に録音した素材を音源にしています。 これは東京「高円寺」にある「円盤」という小さなスペースで試みた方法の変則形です。 再生する音場はリアルステレオをメインにします。録音されたものをそのまま再生するのです。ただし、そのままストレートに流すと断片的な会話の内容や車の通過音などが明瞭に出すぎるので、次のような処理を加えます。 再生される音源のLRそれぞれを分岐しておきます。これに長い残響を2重にかけてやります。雑踏の中に潜んだ会話や車の通過音などの音質やダイナミクスが均一化されて最終的には不明瞭なノイズとして聴こえるように調整を行います。この継続的なノイズを適当な長さに切断してループステーションに収めます。どのループをどのようなタイミングで出力するのかはその場の判断で決定していくのですが、この出力は更に短いサンプリングを行うパッドシンセサイザーの操作により、新たな輪郭や容貌を与えられて2chの音場に登場してきます。判断が生まれて決定を実行すると、次の判断が生じることになり、結果として奏者はどんどん追い詰められていくのですが、ここで「見送る」というモードを設けることによって、「間」を獲得するのです。休符ではなく、演奏しないというか、連続性の放棄というのが実態に近いですね。 事前に録音した素材の中に野球の練習試合が収められていました。金属バットがボールを叩く音や、観衆の掛け声、拍手などが聴こえてくるのです。今から思うと、この素材を使うべきだったかなと口惜しい気持ちが浮上して地団駄を踏んでいます。ライブ会場のど真ん中にミニチュアの野球場。いつか使ってみようかと。 |